冬本番前に!エアコン暖房のためのお手入れと準備
寒くなってからスイッチを入れて、「暖まらない」と気づく。この時期にいちばん多いご相談です。暖房は冷房よりもエアコンに負担がかかるうえ、修理や工事が立て込む12月は、順番待ちで1〜2週間かかることもあります。この記事では、冬本番の前にやっておきたいお手入れと準備を、神戸・尼崎・伊丹で工事をしている電気工事士の視点でまとめました。
暖房は冷房よりエアコンに負担がかかります
エアコンは、外の空気から熱を集めて室内へ運ぶ仕組みで暖房しています。夏の冷房は「室内の熱を外に捨てる」だけですが、冬は外が寒いほど集められる熱が少なくなるため、同じ部屋を快適にするのにより多くの電力と運転時間が必要になります。
つまり冬は、機械にとっても電気の使用量にとっても、いちばん条件の厳しい季節です。夏に問題なく動いていたからといって、暖房も同じように動くとはかぎりません。ここが「冷房は使えたのに暖房だけダメだった」というご相談が毎年出る理由です。
冬に入る前にやっておきたい5つのこと
どれも特別な道具は要りません。全部やっても1時間ほどで終わります。
1. フィルターのほこりを落とす
前面パネルを開けてフィルターを外し、掃除機でほこりを吸います。目詰まりがひどければ、シャワーで裏側から水を当てて洗い、しっかり乾かしてから戻してください。濡れたまま戻すとカビの原因になります。
フィルターが詰まったままだと風の通りが悪くなり、暖まるまでに余計な電力を使います。資源エネルギー庁の試算では、2.2kWのエアコンで目詰まりしたフィルターを清掃した場合、年間およそ32kWhの省エネになるとされています。
2. 吹き出し口とルーバーを拭く
風の出口にあたる部分と、風向きを変える羽根(ルーバー)を、固く絞った布で拭きます。夏のあいだに湿気で汚れが付きやすい場所で、ここが汚れていると暖房の立ち上がりに嫌なにおいが出ます。
手が届く範囲だけで十分です。奥の熱交換器や送風ファンまで無理に触ると、部品を割ったり電装部を濡らしたりします。自分でやっていい範囲と業者に頼むラインは別の記事で詳しく書いています。
3. 室外機のまわりを片づける
暖房中の室外機は、外の空気から熱を奪ってつめたい風を吐き出しています。吹き出し口の前に物があると空気が回らず、能力が落ちます。夏のあいだに置いた植木鉢や物置ケース、伸びた雑草がふさいでいないか見てください。
目安として、前面は30cm以上あけておくと安心です。また、暖房時は室外機から水が出ます(後述の霜取り運転によるもの)。排水が流れる先に段ボールなどを置かないでください。
「雪よけに」と室外機カバーを掛けたままにされている方がいますが、運転中に前面と上面をふさぐと熱交換ができず、能力低下や故障につながります。使うなら運転していないときだけ、もしくは前面と上面が開いた専用の屋根型を選んでください。
4. コンセントとプラグを見る
プラグを一度抜いて、刃の部分に黒い焦げやほこりの付着がないか確認します。ほこりがたまったまま湿気を吸うと、そこに電気が流れて発熱するトラッキング現象が起きます。乾いた布でほこりを拭き取ってから、奥までしっかり差し込んでください。
あわせて、コンセントの形も見ておいてください。暖房は消費電力が大きいため、専用回路になっていないと冬場にブレーカーが落ちやすくなります。買い替えを考えている場合は、新しい機種が100Vか200Vかも確認しておくと安心です。詳しくは100Vのコンセントに200Vのエアコンは付けられるかにまとめました。
5. 11月のうちに試運転する
これがいちばん大事です。実際に暖房を入れて、30分ほど運転してみてください。
12月に入ってから不具合が見つかると、メーカー修理も工事業者も混み合っていて、部品待ちを含めると2週間以上かかることがあります。11月のうちなら、買い替えが必要になった場合でも量販店の在庫があり、工事の日程も選べます。
試運転で確認したいこと
設定温度を高め(26〜28℃くらい)にして、30分ほど運転しながら次の点を見てください。運転を始めてから暖かい風が出るまでには数分かかります。5分で判断すると、正常なのに故障と勘違いすることがあります。
| 見るところ | 正常なとき | 気になるとき |
|---|---|---|
| 吹き出し口の風 | 10分ほどで温風になる | 30分たっても生ぬるい |
| におい | 数分で消える | 運転中ずっとカビ臭い |
| 音 | 風の音のみ | カラカラ、ガタガタと異音 |
| 室外機 | 回っていて、送風口から冷風が出る | 止まったまま動かない |
| 室内機の水 | 出ない | 本体から水がしたたる |
| ブレーカー | 落ちない | 運転開始直後に落ちる |
右の列に当てはまるものがあれば、寒くなる前に一度見せていただいたほうが確実です。
暖房だけ効かないときに考えられること
「冷房は問題なかったのに暖房だけ効かない」というご相談は毎年いただきます。よくある原因は次のとおりです。
- 冷媒(ガス)の不足/暖房は冷房より条件が厳しいため、わずかなガス不足でも暖房だけ先に症状が出ます。室外機の配管接続部に白い霜が付いていたら疑ってください
- フィルターと熱交換器の目詰まり/風量が落ちて、暖まるのに時間がかかります
- 室外機の設置場所の問題/吹き出し口がふさがれていると、外の熱を集められません
- 能力不足/部屋の広さに対して小さい機種だと、真冬の朝は追いつきません。増改築で部屋を広げた場合にも起こります
- 寿命/10年を超えると、圧縮機の能力が落ちてくることがあります
このうちガスの充填と電気配線に関わる作業は資格が必要です。ご自分で判断がつかないときは、無理に触らずご相談ください。
神戸でも「霜取り運転」は起こります
暖房中、急に温風が止まって室外機から湯気が上がることがあります。これは故障ではなく霜取り運転です。暖房中の室外機は氷点下近くまで冷えるため、表面に霜が付きます。その霜を溶かすために、一時的に暖房を止めて逆の動きをしているのです。
神戸市内でも、朝晩の冷え込みと湿気の条件がそろえば普通に起こります。おおむね5〜10分で暖房に戻りますので、そのまま待ってください。頻繁に繰り返して部屋が暖まらない場合は、室外機の設置場所や排水の状態に原因があることもあります。
霜取り運転で溶けた水が出るため、暖房中は室外機から水が出ます。ドレン配管が付いていない機種では地面に落ちます。冷え込む朝はこれが凍って滑ることがあるので、玄関前や通路に面している場合は、排水の向きを変える工事もできます。
よくある質問
暖房の試運転はいつごろやるのがいいですか?
試運転は何分くらいすればいいですか?
暖房を入れると最初にへんなにおいがします。故障ですか?
室外機に雪が積もったらどうすればいいですか?
暖房が効かないとき、ガス漏れかどうかは自分で分かりますか?
まとめ
冬前にやることは、フィルターを洗う、吹き出し口を拭く、室外機のまわりをあける、プラグを確認する、そして早めに試運転する。この5つだけです。手間としては1時間ほどですが、真冬に暖房が止まる事態はこれでかなり防げます。
試運転で異常が見つかったときも、11月なら選択肢があります。神戸市・尼崎市・伊丹市・芦屋市で、暖房の不調や買い替えをお考えでしたら、症状と機種名をお知らせいただければ見当をお伝えします。
暖房の不調は早めにご相談ください
試運転で気になる点があれば、症状と機種名をお知らせください。出張・お見積りは無料です。神戸市・尼崎市・伊丹市・芦屋市に対応しています。
